【感想】東方文花帖 〜 Shoot the Bullet.


・ジャンル 弾幕系シューティングアクション

 

・開発 上海アリス幻樂団


・CMを見て思ったこと
CMなし
 ただどういったゲームかという説明を見たときに、弾幕シューティングの避けるという楽しさを抽出したゲームだと思った。

・どんなゲームか
一般的な弾幕系シューティングゲームである『文花帖(ゲーム)』より前の東方Project作品とは、システムが大きく異なる。
『文花帖(ゲーム)』は、被写体と被写体が放つ弾幕を写真撮影するゲームである。各シーン(ステージ)ごとに規定の枚数ノルマが設定されており、制限時間内にそのノルマの分だけ被写体を撮影することでクリアとなる。敵は弾幕を放ってくるので、それを避けながら被写体を撮影することになる。 wikipediaより

新聞屋さんの女の子が、敵を撃つ代わりに近づいて写真を撮る。
相手の弾幕をボムの代わりに写真を撮ることで消す。
そういうゲーム。



・実際にプレイして思ったこと
作品の色は違えど、繰り返しプレイすることで活路を見出し上達したことが実感できる何殿調整はシリーズを通しても特に素晴らしい。
今作には難易度選択が無いので、根気が必要になる段階が相当早めに来る。全11何度で4ステージあたりからコンティニューしてトライ&エラーが始まる。

・良かった点
弾幕STGでは必須になりつつあるシステムであるボム。
そのボムを使って弾幕を消すことで活路を切り開くという点に特化したゲーム性が今作の面白いところ。避けて撮る。が面白い。

東方シリーズ通して言えることだが、攻略の方法をゲームオーバーを繰り返しながら探していくところが面白い。
 →アクションゲームよりもクイズゲームに近い感覚があるような気がする。
 →今作は従来のシリーズとは違い敵の弾幕をボム(写真を撮ること)で消すことが前提のデザインであるため、難易度はかなり高い。だが、繰り返すうちにどうすれば良いのかがきちんと見えてくるようにできている。
 →10回プレイすれば活路が見いだせ、100回~500回ほどのプレイでそれを実行できる程度の難易度。
 →後述するが、今作は作者が意図して作った活路を探すよりもプレイヤーが気合でなんとかするケイブ感がある。

当たり前のことのように思えるが、敵ごとに音楽、弾幕の特徴、弾幕のグラフィックが違うしどれもクオリティが非常に高い。
 →また、1キャラの攻撃パターンが多く、その攻撃ひとつひとつに名前がも魅力のひとつ。
 →今作はキャラクターを掘り下げた演出が特に多い。

写真を撮るという設定もゲーム性に盛り込んでいて、
一枚写真を撮るごとにフィルムを装填する必要がありその間写真を撮ることが(弾幕を消すことも)できず、低速移動よりも低速の移動をすることで自キャラのフィルム装填時間を短縮できる。
 →このシステムによってリスクとリターンを楽しめる。

また、弾幕を数撃って当てるゲーム性から撃たずに避けて撮るというゲーム性にしたことで、1枚写真を撮ることに意味を感じやすい。

新規キャラクターがいないが、それを弾幕の種類の多さでカバーしきっている。

・つまらなかった点
キャラクターを愛しているだけでは足りない、難易度の高さ。
 →弾幕STGが得意であっても特殊なゲーム性ゆえにクリアはとても難しい。

指定の写真が撮れていない場合に失敗を意味するSEが鳴るのだが、これは必要ないように思える。
→やったか…?だめか…。といった思考をしている暇もないため。
→プレイ中何千回と聞くことになるのだが、聞くたびに突き放されるような気持ちになる。

東方シリーズの弾幕は追従してくるタイプと、特定の座標にめがけて飛んでくるタイプが多いが、今作はランダムに飛んでくる弾幕が多い。
 →レベルデザインは弾幕の量に依存しているように思う。


・自分であったらどう直すか

写真を撮る、弾幕を消すということに特化しすぎて、
弾幕を避ける、ということに対するアプローチが足りていないように思う。
何度が高くなると、フィルム装填の時間をどれだけ短縮したとしても間に合わないくらいの弾幕が降り注ぐので弾幕を消して活路を見出すにも限界が来る。

消せば避けられる。
消さなくても避ける道は見えている。
そういった弾幕を作りたいと思う。

しかしSTGは制作側が作った不可能をプレイヤーが突破していくという楽しみ方もあると思うので、なかなか難しい。


余談。
このゲームでは自キャラとボスの1対1の対面の会話以外からは、そのボスがどういう娘なのかを知る手段がない。
だが、二次創作に全く触れない自分にも好きなキャラクターはいる。
それは凝ったビジュアル、音楽にも関係があるが、このキャラクターが好きだと特に感じる瞬間は弾幕に殺される瞬間である。それも何度も何度も殺されるたびに好きになっていく。

これについて。
とある人物と話して納得がいったのだが、
そのゲームにおいて、「価値のある、もしくは価値を見出せるキャラクター」は好きになれる。ということがあるようだ。
ソシャゲでいうレア度の高いキャラクター、RPGやアクションゲームなどにおける強いキャラといった具合に。
このゲームは、先述したが不可能に思われることを可能にすることが面白い。なので、このゲームでのキャラクターの価値は、その不可能を可能にした時の気持ちよさの度合いが大きいほど高い。
それゆえ、強い相手ほど好きになりやすいように思う。



2016年06月30日