パワプロクンポケット9
僕はパワポケシリーズが本当に好きです。その中でも7→9の流れが特に。
・ジャンル 野球バラエティ
・開発 コナミデジタルエンタテインメント
・CMを見て思ったこと
今作に関してはCMを見たことがない。
作中で見ることができるが、ネタのひとつでしかない
・実際にプレイして思ったこと
野球部分が面白くなった。
→リアルな上にゲームとして成立する調整がなされた。7の人間が追い付くことのできない理不尽な打球のスピードや、8の広すぎるストライクゾーンや打ちづらかったのミートカーソルなど
・よかった点
野球バラエティと銘打っただけあって、野球に関わる面白さ(特に今作は社会人の草野球)を掘り下げている。
→野球自体の面白さは攻撃側の 打つ 守備側の 投げる を掘り下げる、携帯機の低スペックを煩わしく感じさせない作りになっている。これに関しては現在のiOS版などのアプリにまで受け継がれているように思う。また、難しかった守備も打球が飛んだ方向がかけ声が表示されるようになって遊びやすい
→社会人の草野球に関しては、大手スーパーに負けそうな商店街を舞台に、人間関係を上手く描いている。社会人の野球の在り方を面白く切なく作品に落とし込んでいると思う。
シリーズであることを上手く利用している。
→自分はシリーズものでストーリーに繋がりがある作品が好きであり、パワポケシリーズの魅力の一つはそこにあると思っている。
具体的に言えばパワポケ7の流れを意識して作られている点。
→7では高校の野球部にどんどんと転校生がやってきて野球部が乗っ取られていく… といったストーリーだったが、今作は主人公が助っ人側になる。また主人公に惹かれたキャラクターたちが「自分にも野球をやらせてくれ!」と言ってどんどんと部外者が野球チームに加入していきそれがもとでチームの中で争いが起きる… と言ったような。
→さらに、明言はされていないが今作の主人公は7の助っ人第1号のレッド同一人物だと考察できるような台詞がいくつか存在する。そういう考察をすることで7ではチームを壊滅させてしまった助っ人がもう一度同じような形で野球に挑む物語になる。
彼女のシナリオも良い
→今作はホームレスの主人公が自分を養ってくれる彼女を見つけることで心身ともに強くなっていく部分があるので、ぎりぎり野球とも繋がりつつそれがなくとも読み続けたくなるような爽やかでどす黒いシナリオ。
→個人的に人間じゃない女の子との恋愛を描いた作品が好きなので嬉しかった。他にも、夢を追いかける劇団の女の子、商店街でカレー屋を営む未亡人、第一印象最悪からスタートするレストランの店員、主人公を餌付けする物静かな女性など… キャラクターがそろっている。
→グッドエンドでは、7の助っ人であり9で主人公になったレッドが、確かな幸せを大切な人と共有するものが多い。
彼女以外にも人間じゃない、もしくは人間らしく生きることを辞めたキャラクターが多いが、それぞれが憎めない人間らしさを持っている。
シナリオに関しては、正史と呼ばれるシリーズを通してのストーリーがあるためにキャラクターによっては無情な結末を迎えているものもある。
→パワポケシリーズはダンガンロンパやクラナドのようなキャラクターを殺すことで魅力を引き出している作品だと思う。
総じて、野球を絡めたシナリオ、キャラクターの質が高い。
シリーズである強みを外伝的なシナリオにすることで生かしている。
野球も9までのシリーズを見た場合には良い出来。
・つまらなかった点
仲間になるキャラクターで優秀な投手が少ない。
→仲間に出来る投手は3人。仲間にするためには複数のターンの消費が必要であり、ランダムイベントなので場合によっては時間を浪費するだけになることも。
監督の采配がめちゃくちゃ。
→DH制なしでの試合ゆえ、ピッチャーの打順ではすぐ代打を出される。
→そこら辺の野手よりも打者としての能力が高い投手がいても打順が来るとすくに代えられてしまう。
また、優秀な投手がいたとしてもストレートしか投げられない投手が起用されることもある。
つまらないとは言わないが、シナリオはあっさりめで7や8のような深みはない。
→前述したが野球を絡めた、というよりは野球が掠っているシナリオである。7や10のような「自分には野球しかない」といった主人公が好きな人には面白く感じられないかもしれない。