【感想】蒼の彼方のフォーリズム

蒼の彼方のフォーリズム


・ジャンル 恋愛 スカイスポーツ

・開発 sprite

・CMを見て思ったこと
発売前からアニメ化が決定している、ということは知っていた。
スプラトゥーンが遊びを考えるところから始まったという話を聞きつけ、蒼の彼方のフォーリズムもオリジナルのスポーツをテーマにしていることを知り興味を持ち購入。
エロゲは好きだが、見るからに王道な今作はそういう前評判の良さとオリジナルのスポーツ要素がなければ購入しなかったかなと。

・実際にプレイして思ったこと

 

グラフィッカー、プログラマー、シナリオ、演出… ありとあらゆるスタッフが一流の仕事をした中で、ゲームのデザインをした人間はその域に達していないように思った。
 →プランナーが足を引っ張っている作品といった印象。



選択肢が異常に少ない。
 →それゆえ共通ルートが苦痛である。

UIが安っぽく使いづらい。
→常時画面全体の1/5ほどを占領するアイコンが表示されていて、テキストボックスが奇妙な場所に配置されていて気持ちが悪い。

最初から最後まで作業だった。
 →声優が上手くないので主人公が過去に出会った謎の人物の正体がすぐ分かる。
 →よく言えば王道だが、悪く言えばありきたり。こんな風に展開するとは思わなかった。ということがひとつもなかった。別の意味で、こんなシナリオだとは思わなかった。

特定のキャラクターが不愉快。
 →スポーツものでやる気のないキャラクターがある出来事をきっかけに努力をし始めるという展開は良い。が、真面目なシーンや緊張感のあるシーンでその雰囲気をぶち壊すヒロインが2人いる。
 →ついでに言うとその壊された雰囲気をいつも元に戻してくれるいい娘が攻略対象ではない。それもあって攻略可能なヒロインのことがどんどんと嫌いになっていき、攻略対象外のキャラクターのことがどんどん好きになる。


・よかった点
オリジナルのスポーツ、フライングサーカスをかなり細かく作りこみ登場人物がそれに対してどのような気持ちを持っているのか、どのようなスタイルでプレイしているのかというところまで細かく作り上げていた。
 →今作は、実際には存在しないものをどれだけ分かりやすく、よりリアルに描くか。ということに特化していて、非常にすんなりと物語の世界に入っていけた。

リアルな心理描写。
 →みさきルート。共感できる、ということがこんなにも大切なことなのかと思わされた。特に今作のような架空のスポーツを扱うような作品では共感できないシナリオや心理描写は命取りだろう。
  →ネタバレ注意。努力しなくても人並み以上に何でも修めることのできるヒロインがフライングサーカスを極める努力をして成果が現れない未来を想像して競技自体を辞めようとするシーンが特によかった。

・つまらなかった点
フライングサーカスをプレイヤーはプレイできない。見ているだけである。
 →艦これアーケードだと思ってプレイしたらPC版の艦これだった…というような感じだろうか…。
 →ゲームに組み込まれていなくても、作戦を立てる段階で選択肢があったりだとかそういったこともない。そこが一番残念だった。

フライングサーカスで攻略不可能と思われた強敵に勝つ。という目的は面白いが、このゲームはそこまでの過程が、シナリオもゲームとしても面白いとは言えない。


みさきルートは真白ルートの分岐の先にある。
 →真白ルートのフラグを折ることでしかみさきルートに入っていくことができないが、そういう仕様になっている意味がまるでない。


・どう直すか
ゲーム性を盛り込みたい。
状況が刻一刻と変わるフライングサーカス中に監督として競技中のヒロインに的確な指示を出す、ダンガンロンパのようなゲーム性もよいと思うし、
作戦を立てる。そのためにヒントを探すようなゲーム性もよいと思う。


2017年01月04日