serial experiments lain
ネタバレ注意
・ジャンル アタッチメントソフトウェア
・CMを見て思ったこと
CMではなくアニメを見て購入を決意。
アニメの内容が1mmも理解できなかったので補完として。
漫画、アニメ、ゲームがそれぞれを補完しあう作品。
・開発 パイオニアLDC
・実際にプレイして思ったこと
狂気を感じる名作、ごきんじょ冒険隊を作ったパイオニアが狂気を前面に押し出した作品。
『存在する』ということの意味、記憶とはただの記録である。という2つの事柄を掘り下げていて哲学や答えのないことについて考えることが好きな人向け。
ゲームと呼べるのかわからない作品である。
→というのも、プレイヤーができることは情報ネットワイヤードの中に散らばった音声や映像データを再生することだけである。クリアもゲームオーバーもない。
データは一応時系列順に並んでいるが、好きな順番で再生することができる。
→ゲームというよりも漫画や小説を見ている感覚。
・良かった点
精神疾患を患った少女とカウンセラーの女性とのやり取りが非常にリアルで丁寧に描かれている。
→専門用語のオンパレードだが、それに対し疑問を持ってた少女がカウンセラーに質問してくれるのでプレイヤーが話の内容をきちんと理解できる。大学で心理学や高校で倫理などの授業をきちんとこなしていれば聞いたことくらいはある程度の単語が多々出てくる。
先述のように、データは時系列順に並んでいるがそれが真実とは限らない。それゆえ、自分で話を整理しながら考察する楽しみがある。これがこのゲーム1番の楽しさ。
→再生できるのはすべて音声またはムービーであるためバックログを見ながら考察するということはできない。
この楽しみ方としては、
とあるカウンセリングデータ①のすぐ後のカウンセリングデータ②を再生すると明らかなわだかまりが生じていることがある。その原因を録音したデータを探索発見してメモなどで情報を整理する。
ネットワークに落ちているデータは真実とは限らない。明らかに前後で矛盾しているデータも存在する。どちらが正しいのかを他のデータをもとに考察する。
など。
自分で楽しみ方を見つけられない人には向かない。
とある音声データ(この作品、レインがどのような存在であるのかという核心に迫ったもの)を再生するとその段階までで見つけた映像データがノーカットで再生される。
何が何やらわからないままでいると、全裸のレインがプレイヤーの名前+「これからはずっと一緒だね」と無機質につぶやく。
この演出がとても良い。理解が追い付かない頭でも、何か手遅れな重大なことをしでかしてしまったのだということだけは理解できる。この演出は秀逸。
その意味が分かった時にこのゲームは完結する。
ずっと一緒だね、とは。
存在するということは、その人物の思考パターンや記憶を知ることで成立する。
プレイヤーはエンディングまでにレインのそれを細かに見聞きしてきたことになる。
ずっと一緒とは、プレイヤーが今まで見聞きしてきたレインのことを覚えている限り彼女は存在するということになる。
ここまでを理解できるかどうかでこの作品の評価は大きく変わる。
・つまらなかった点
システム面は酷い。
レスポンスの悪さが非常に目立つ。
メニューを開く、再生するファイルを開くなど何をするにしても数秒間のロードが入る。
再生されるデータの尺は再生するまでわからない。
→ロードに5秒ほどかかったデータが2秒の音声データだったということもある。
ゲーム性がない。
ストーリーの出来は相当ハイレベルであるが、ゲーム性のなさシステム面の粗が目立ち完走しようという気持ちにならない。
しかしこのゲームの行き着く場所、ずっと一緒を実感するためにはこのゲームを1~2日でクリアする必要がある。
・自分であったらどう直すか
ソート機能、ブックマークなどの機能を実装。
矛盾を利用して逆転裁判のようなゲーム性を生み出すこともできるはず。
加筆しますたぶん。